第42章

実験棟を出た途端、担当教師の厳めしい顔つきが怖くてずっと黙り込んでいたカリーナが、ようやく本来の明るさを取り戻した。アリシアの周りを小鳥みたいにくるくると回りながら、弾んだ声で言う。

「アリシアって、先生たちの前でも全然怖くないの?」

王立学院の魔法科の教師は、全員が魔法使いだ。数が少ないうえに職業者としての矜持も高いから、だいたいが取っつきにくい。しかも魔法使いは元々どこか癖が強い者が多く、余計に近寄りがたい。

アルビンのように一見穏やかな若い教師でさえ、付き合いが長くなれば「表面どおりの温厚さではない」と分かってくる。

もちろんアリシアは怖くない。かつての自分のほうが、よほど近寄...

ログインして続きを読む